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お酒の話
 水、お茶、ジュースなど口に入れる飲み物はたくさんありますが、酔うという現象を起こす液体は、唯一、お酒だけです。ご承知のようにアルコールという成分が含まれているからです。そのアルコールは誰が造っているのでしょうか。ワインはケラーマイスター、ビールは醸造技師、日本酒は杜氏さんなどという答えが返ってきそうですが、違うのです。お酒造りの主人公は実は、「酵母菌」という微生物、彼らはこの微生物の生活環境作りをしているのです。この微生物、糖分を食べて生活し、排泄物としてアルコールと炭酸ガスを出しています。30億年も前から地球上に住んでいる大先輩です。どのお酒も、この微生物「酵母菌」の生活を利用して造ります。
 原料に糖分が含まれている果物のお酒は、果実のジュースと酵母菌が出会えばお酒が誕生します。とても簡単な仕組みです。でも、なぜ果物は果実に糖分をためるのでしょうか?
 歩くことのできない樹木や草花は、親子で養分の取り合いをしないようにイガイガして近くを通る動物に着いたり、たんぽぽのように風に乗ったりして遠くへ種を運んでもらいます。植物もなかなかの知恵者です。そのなかで果実を付ける植物は、「美味しくなって鳥や動物に食べられる」方法を選んでいます。固い殻に覆われた種は、消化されずに遠く離れたところで排泄物として地面に落とされます。
 果実のお酒の代表、ワインの原料となるぶどうは太陽の日照による光合成で果実に糖分を蓄えます。好天に恵まれれば、原料となる糖分の量が多くなり、アルコール度数の高いヴィンテージワインとなります。ですから、ぶどう畑では少しでも日照を多く受けるような栽培の工夫がなされます。
 では、果物以外の原料で造られるお酒はどうなっているのでしょう?
 世界で一番飲まれているお酒、ビールは麦を原料にしています。しかし、麦には糖分はなく、ほとんどが「でんぷん」です。これは酵母菌の食べ物ではありません。食べさせるには「でんぷん」を糖分に変える必要があります。ビールの場合は原料の麦の種自身が持っている糖化酵素を利用します。糖化酵素とは、糖が連結している状態の「でんぷん」を酵母菌が食べることのできる「ぶどう糖」などの単糖の形に、ぶつぶつに切ってくれる酵素のことです。
 動物と違って植物は産み落とした子供の面倒をみることができないため、一人前になるまで栄養補給をするお弁当、「でんぷん」を持たせています。種の状態では、細胞が水を失っていて休眠状態となっていますが、水に触れると休眠が解除され、芽と根をのばし始めます。これを発芽といいます。小学生のころ、教室の窓辺で、当番が毎日水をとりかえてのヒヤシンスの栽培、気がつくと、肥料もあげていないのに大きな花が咲き、鉢のなかは真っ白い根がいっぱい、という記憶はありませんか? 種は水を得て発芽、芽と根の付け根に自然に発生した糖化酵素が、でんぷんを糖分に変えてゆき、それを成長のエネルギーにして葉を伸ばし、根を張ります。親の持たせてくれたお弁当のなくなるころには、葉も広がり、根も伸びて、自立できるようになっています。
 麦から造るビールは大麦を水に浸して発芽を促し、糖化酵素が出た時点で焙煎して発育を止めます。これを麦芽(ばくが)と言いますが、焙煎の度合いによって色に濃淡がでます。かなり濃ければ黒ビールの原料。この麦芽を水の入った鍋に入れて温度を上げると、糖化酵素の働きで糖分を含んだ甘い液体、麦汁(ばくじゅう)ができます。これに酵母菌を入れれば、アルコールが発生、同時に出た炭酸ガスを一緒に封じ込めたのがビールです。ビールは炭酸ガスとホップの苦みが好まれ、さらに冷蔵庫の発明もあって世界で一番飲まれるお酒となっています。
 それでは、お米を原料とする日本酒は、どのようにしてお米のでんぷんを糖分に変えているのでしょう?実は、強力な助っ人がいるのです。