ここはお酒の専門店の通信販売のコーナーです
未成年者にはお酒の販売をしていません

お酒の話
  麹の話
農産加工品であるワインでは、畑での原料ぶどうの品種とその年の作柄が、決定的な要素となりますが、日本酒造りでは、米のできが良いにこしたことはありませんが、「1に麹」「2に?(もと))」「3に造り」と言われるように、稲の実る田圃ではなく蔵の中でのこれらの作業、なかでも「麹作り」が一番重要といわれています。「麹作り」は、蒸したお米にカビの仲間である麹菌を植え付け、繁殖させて糖化酵素などのいろいろな酵素を、この蒸し米の表面や内部に作らせる作業で、できあがった米は単に「麹」と呼ばれています。
 大吟醸酒用、純米酒用、山廃用など、さらに使われる段階場面に応じてさまざまな麹が作られ、同じお米からいろいろなお酒を誕生させることに重要な役目を担っています。
 麹菌には日本酒に使われる「黄麹」のほかにも、沖縄の泡盛に使われる「黒麹」、その変異株で九州の焼酎に使われてる「白麹」、さらにここから誕生した「ニュー黒麹」などがあります。それぞれが作る糖化酵素の力は、「黒麹」が最強、次いで「白麹」と「ニュー黒麹」、一番弱いのが「黄麹」という順番です。原料米に脂肪やたんぱく質の多いタイ米を使う泡盛は、とても強力な糖化酵素を作る「黒麹」の必要がありますが、同時に大量の酸を作ってしまうという特性があります。それで泡盛は蒸留した上に10年もの熟成を、酸のほどけのために必要とします。「ニュー黒麹」は「黒麹」に近い糖化力をもち、酸は「白麹」並みに控えめ、ここ数年の焼酎ブームは、この「ニュー黒麹」約して「シンクロ」が影の立役者です。それでも酸の出ることを嫌う日本酒には使えません。
 日本酒はすべて酸の生成が少ない「黄麹」です。麹菌が酸を出す?いえいえそれだけではありません。麹は単に糖化酵素というだけではないのです。お酒の香りや味、そして雰囲気や豊かさにも大きな影響を与えます。奄美にはサトウキビから造る「黒糖焼酎」があります。糖分を含んだ原料のサトウキビの搾り汁は、ぶどうジュースと同じです。しかしここでも麹が使用されます。日本の法律では焼酎も麹を使わなければ「焼酎」を名乗れません。しかしこの法律が変ったとしても、「黒糖焼酎」蔵は麹を使うでしょう。なぜなら麹なしにあの豊かな感じを出すのは難しいからです。それほどに「麹」は大切なものなのです。
 麹菌を振りかけられた蒸し米は、酒蔵の中で唯一暖かい部屋「麹室」で、2日かけて「麹」になります。1日目は、蒸し米に麹菌を繁殖させ、翌2日目には別の場所に移して、温度と湿度を調整して、蒸し米の内部に菌糸を食い込ませます。さまざまな工夫から考え出された方法作業で、麹菌という微生物をコントロールする技術は魔法のようです。大吟醸酒用に限らずどこの酒蔵でも「麹米」には良いお米を使い、良く精米し、最近ではコンピューターによる麹作りも普及してきているとはいえ、杜氏さんや藏人の労力の多くはここに注ぎ込まれ、「麹作り」は酒造行程の中でもっともコストのかかる作業といえます。良く売れるからといって仕込タンクを増やすだけで、お酒が量産できるわけではありません。大量の麹を作る設備も必要となります。なかには設備の替わりに製薬会社から酵素剤を購入して、これで足りない分をまかなうなどという酒蔵さんもあります。酒造コストも抑えられますし、最近のライトライトの傾向にも合致していますので、これを使ったお酒造りから「純米酒ではありません」という但し書きの付いた「米だけの酒」という新しいジャンル?のお酒も登場。まぁ日本酒を名乗るのには麹使用は不可欠の条件となっていますので、糖化酵素はすべて酵素剤で済ますということはできませんが、「純米酒」と表示するためには、使うお米の総量の15%以上の麹を使わなくてはなりませんので、名乗っていない「米だけの酒」はこれ以下の使用量ということです。通常良心的な酒蔵さんは、どのタイプのお酒にも21%から24%くらいを使いますので、法律で定めた15%でもかなり少ないと思いますが、、、、平成になってさらに少ないお酒が出現したということです。日本人の心を癒し、明日への活力を誕生させる豊かな味わいは、現代では不要?