華 鳩 (はなはと)

瀬戸内、呉の近く音戸大橋を越えたところにお蔵はあります。こんなに風光明媚で温暖なところに、こんなにも酒造りに熱心な酒蔵さんがいるとは思えませんでしたが、まさに捜し求めていた「人」がおられました。貴醸酒と吟醸酒からその熱意が伝わります。 ちょっと手狭かと思える敷地ですが、精米所もなにもかもすべてこの敷地内にあります。仕込蔵の出入り口には神棚が祭られ、緊張の面もちで中に入ると仕込タンクが並び、左手にお米を蒸す蒸し器と放冷機が固定されて設置されています。蒸し米の出るところに麹菌を振りかける装置が付いています。その前に使い込まれた階段があり、上った奥に麹室と酒母室があります。日本航空国際線ファーストクラスに搭載される大吟醸は冷却装置付きのサーマルタンクで仕込まれています。規模は小さいのですが貯蔵の大きな部屋は冷房され、純米古酒の[貴醸酒]が熟成を待っていました。[貴醸酒]はこの蔵で日本で初めて誕生しました。遣唐史を送りだす船を造った土地柄でしょうか、そこで育まれた進取の気質の人間の魂のせいでしょうか、最近流行の[酒カクテル]などではなく、貴醸酒のような古典にあるお酒の再現に情熱を傾けておられます。 造りの現場は若杜氏の藤井忠君、ハングライダーが趣味という2009年で36歳。まだ30前で蔵をまかされましたが、昭和39年生まれの息子さんである俊宏常務と共に健闘、全国新酒鑑評会金賞受賞、広島国税局長賞受賞などここ数年の活躍は目を見張らせるものがあります。

 榎 酒造(株)

 広島県安芸郡 南隠渡 

蔵元:榎  俊宏氏                        

 杜氏:藤田 忠氏 (広島杜氏)

会長

渉外担当 榎真理子氏