紫尾の露(しびのつゆ)

 

鶴の飛来地として有名な出水の駅から山を越えた竹林の中に宮之城町はあります。かぐや姫の伝説の地ですが、竹製品が多く特産品として作られ、竹刀は全国の8割を生産しています。近くには名峰「紫尾山」があり、そこから流れ出す川内川は雲母で川底がきらきら光っています。蔵は平成に大地震にあい、すべてが新築となりましたが、大工場とせず、単式蒸留器と土甕の伝統的で理想とする蔵の姿になっていました。建物は3階となっていて、最上階から作業工程順に下に降りてゆく仕組みです。米麹を作る麹室は三角棚と呼ばれる製麹器が設置され、その真下に酒母甕、その横下に仕込桶、ちょっと上の床に蒸留器、脇下に貯蔵甕といった配置です。

 当然、鹿児島県ですから「サツマイモ焼酎」の産地です。多くの酒蔵がありますが、この軸屋酒造は高品質の焼酎だけを生産し続けてきています。そのため香り(臭い)も強く、個性的と言われていますが、多くの芋焼酎が油くささを感じさせる中で、その臭いがないだけでなく、とても上品で豊かな焼酎となっています。最近では長女麻衣子さんが7年間のニューヨーク滞在から帰り、杜氏として活躍。これを契機に今まで少量生産していた「麦焼酎」の製造を止め、芋焼酎造りだけに専念しています。


蔵元:軸屋新太郎氏 杜氏:軸屋麻衣子