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西条の駅に降り立つと四角い煉瓦の煙突がいくつも見えます。西条は昔からの銘醸地でたくさんの小さな酒蔵さんが林立しています。賀茂泉の蔵までは徒歩で10分程度ですが、通り道に2軒ほどの酒蔵さんがあります。大きな酒造工場はなくどれも小さな醸造所です。この地域の大手蔵「賀茂鶴」の煙突もいくつか見えますが、生産量がまにあわなくなると同じような小さな蔵を増設するという方法で今までは生産規模を拡大してきました。賀茂泉は西条を代表する酒蔵さんですが、独特の味と酸の多いお酒を造っておられま
す。子育てのようにのびのびとお酒を育てるという、一見温度管理などにあま り気を使わないといった感じですが、できるお酒の豊さと枯れ具合、それと特有の[出しゃばらない酸]が個性的です。
お酒の世界を二分すれば、やや菊姫 とか木戸泉の世界に近い[純米酒]の世界で枯れた感じが独特です。数年前か
ら吟醸酒も市販されていますが、この蔵特有の酸の質とボリュームが、酸の多 い独特の吟醸酒にしています。
研究熱心なお蔵ですから、この部分でも世界を 造られると思いますが、神田和泉屋では、現在のところは、このお蔵の[豊かな純米酒の世界]に心ひかれています。
久々に平成13年2月に訪問しました。西条の駅前も通りも、蔵の佇まいも昔のまま、しかし蔵の中に入って驚きました。以前造りの現場であった木造部分は集会場になり、街を上げての「西条酒祭り」の会場に使われていました。造りの現場はその奥に新たな敷地を入手して近代的な工場となっていました。蒸米器も移動式の甑を採用、整然とした清潔な広い作業所です。甑の上には浸漬タンクがあり、水を吸った米は下に落ちて甑に入り、蒸されて放冷機へと流れます。空になった甑は上に回転して一番後ろに回ります。杜氏は以前からの増田さん、整然とタンクが並ぶもろみ室がガラス越しに一望できる広々とした杜氏室でコンピューターの画面を見ながら指揮をとっていました。搾りのヤブタも最新式で粕はがしが自動的に行われていました。働きやすく明るい工場です。しかし麹造りなどは部屋こそ造りに合わせて大きくなっていますが昔ながらの手作りで酒質を守る姿勢が伺えます。町おこしにも積極的で隣接する県の醸造試験場を土地の交換で入手し西条の酒造り博物館としています。
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賀茂泉酒造(株)
広島県東広島市 西条上市町
蔵元:前垣 寿男氏
杜氏:増田 幸夫氏 (広島杜氏)
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転倒式甑
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