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神田和泉屋では、ドイツから輸入するワインを貯蔵するために岩手県に「神田和泉屋館ヶ森山荘ワイン庫」を、平成2年冬に建設しました。通常ワインの輸入はどこの商社でも「飲み頃を迎えたワイン」を輸入しますが、到着後少々の休息では疲れから回復できないだけでなく、年寄りの世界旅行と同じで、もうへたってしまいます。そこで将来性のあるワインを若い状態で、ゆりかご(冷蔵)に入れたまま日本に運び、そこでゆっくり大人になる(熟成)のを待って東京で販売するのが一番と考えました。
最終的に選んだ場所は、岩手県の一関と気仙沼の間、宮城県との県境の北上川近くの雪もあまり降らない気候温暖なところです。土地を購入する前に一年間、毎月訪問し、季節毎の気温や気候を調べ、ワインの貯蔵に適していると判断しました。ワイン貯蔵庫は、低い山にかこまれた小さな山の頂上を掘り下げた地下室となっていて、今現在の収容能力は2万本程度です。
すでに数度一番寒い日と暑い日を経験していますが、庫内の最低温度は、プラス1度、最高温度は21度でした。湿度は常に75%〜96%前後。ワインのラベルや口にドイツから付いてきた黒カビが繁殖していますが、これらの7種類のカビも2種類のバクテリアも東京農業大学の研究室での培養検査で安全と判定されました。
地下ワイン庫内はまったく自然のままです。床も呼吸をさせるためにコンクリートを打たず土のままで、花崗岩の細かい砂を敷き詰め、その上に梅雨時から夏にかけての過剰な湿度を調整するために、秋田県と青森県の県境から採取される火山礫を5センチくらい敷き詰め、さらに天井に8台の小型換気ファンを吊り下げ、庫内の温度湿度を均一にして結露を防いでいます。 ワイン貯蔵庫の上は2階建ての建物があり、15〜20人の宿泊ができるようにしてあります。建物の中央は吹き抜けの広間となっていて、ここで月一回のワイン荷作りに出向いたときは近県から集まった岩手教室の方々とのお酒の話を交えた宴会が開かれています。
平成2年7月8日地鎮祭、8月17日着工、25日地下ワイン庫基礎完成、12月23日建物竣工落成式。翌平成3年秋、ドイツより到着のワインを貯蔵開始。翌秋11月、シンボルのけやき大樹の脇にパン焼の石窯完成。パン窯前の広場を芝生に張り替えたり、ブルーベリーやキウイを植えたりし、毎月集まる方々が楽しめるよう周囲の環境を順次整備しています。隣にある牧場の汚れた水の処理も完全となり、最近では敷地内を流れる沢に沢ガニの他にイワナ、サンショウウオも見られるようになりました。
過去にも5年に一度くらいの間隔で山の大樹を伐採してきましたが、2006年11月4日には山荘の脇にシンボルのように立っている欅を伐採しました。
屋根の半分まで葉をひろげるまでに成長し、地元のひとや岩手教室の方々のご意見もあって、すでに降り注ぐ樹液で建物の屋根や壁はずいぶんと汚れてきていましたが、いよいよ建物の寿命に影響を与える状況となって伐採となりました。周囲のものを壊さないように大きな重機をもちこみ吊り下げながらの伐採でした。切り倒した木は薪として貯蔵となりました。 |